こんにちは。3歳0歳姉妹を育児中の母、らくだです。
早速ですが、離乳食の進め方について調べると
「10倍粥」からスタートと目にする機会が多いですよね。
自治体から配られた冊子にも当然のように10倍粥の作り方が載っていました。
でも実は、10倍粥から始めると栄養が不足してしまうんです!!!
そもそも、意外に思われる人がいるかもしれませんが、
公の資料には離乳食の開始は「10倍粥から」などとは一切書かれていません。
母子手帳を見てみましょう。「つぶしがゆから始める」と書いてありますね。小児科ではずいぶん以前から言われてきましたが、
10倍粥では薄すぎるのです。
〜中略〜
母乳や育児用ミルク以外の味を体験させるために、少し10倍粥をあげるのはいいでしょう。でも、水っぽいお粥でお腹が一杯になってしまってはいけません。
・・・日本の離乳食情報、アップデート遅すぎ!!!
というわけでこの記事では、
- 離乳食を10倍粥からスタートしてはいけない理由
- では代わりにどう進めれば良いのか
についてまとめてあります。
大事な赤ちゃんの記念すべきはじめての食事。
大人も赤ちゃんも無理なく、栄養たっぷり進められますように♪
どうして離乳食を10倍粥から始めちゃダメなの?
10倍粥からスタートさせる離乳食スタイルには、大きく分けて2つの問題があるんです。
- カロリーが低い(量に対して栄養価が低すぎる)
- 赤ちゃんに必要な栄養素(主に鉄分、亜鉛)が不足している
それぞれ詳しく説明しますね。
10倍粥はカロリーが低い(量に対して栄養価が低すぎる)

離乳食とは、そもそも今まで母乳やミルクしか飲んでいなかった子にあげるもの。
そのため、それらと同じくらいのカロリーがないと栄養不足になってしまいます。
それにもかかわらず10倍がゆは、おかゆとは名ばかりでほぼ水。
量に対して栄養価がとても低いんです。
当然のことながら、重湯なんてもってのほか。
もちろん、味に慣れてもらうために少し食べさせるのは問題ないのですが、
10倍粥や重湯でお腹いっぱいになってしまうと、必要なカロリーを摂取できません。
10倍粥は赤ちゃんに必要な栄養素が不足している

そもそも離乳食を始める理由の大きな目的の一つに
赤ちゃんが成長するにあたって、
母乳やミルクだけでは不足してしまう栄養を食事で補う
ことがあります。
赤ちゃんにとってとても重要な栄養素は
「鉄分」と「亜鉛」
生後間もない赤ちゃんには、お母さんのからもらっていた「貯蔵鉄」が身体の中にあるのですが、それが離乳食を始める生後5〜6ヶ月頃になると尽きてしまいます。
(特に、低体重で生まれた赤ちゃんは鉄欠乏になりやすいので注意が必要!)
それが、お粥だけでは補いきれないんです。
こちらの本にも詳しく載っています!
鉄分の重要性
では具体的に、鉄分が足りないとどうなってしまうのでしょうか。
赤ちゃんにとって鉄分は脳の発達を促すために、とても重要な栄養素なんです。
「鉄」は脳の細胞と細胞の間の刺激が伝わる成分を作る上で重要です。また、「鉄」が不足すると、細胞に酸素を供給しているヘモグロビンが十分に作られず貧血になります。2歳以下のお子さんで鉄欠乏状態が3ヶ月以上続くと、認知能力、運動発達、社会性や情緒発達に影響を与える可能性があると言われています。さらに、離乳期の鉄欠乏による貧血が続くと、発達の遅れをその後何年も引きずってしまう可能性があることがわかってきました。
生まれたばかりの赤ちゃんの脳は未完成、400gしかありません。
ですかその後どんどん成長し、3歳までに大人の80%もの大きさになります。
この0歳から3歳までの間、脳に栄養を与えることがどんなに大切かわかりますよね。
2歳以下の乳幼児、とりわけ離乳期の赤ちゃんが貧血になると、その後の発達に大きく悪影響を与えてしまうんですね。
そのためにも、離乳食で充分に鉄分を与える必要があります。
鉄分の重要性に関しては、こちらの記事でもさらに詳しくご説明しています。

亜鉛の重要性
続いて亜鉛の重要性についてです。
亜鉛には、
- 体を作るタンパク質の吸収を助ける
- 免疫機能を維持する
- 味覚を安定させる
などの役割があります。
実は「舌」の上皮細胞には亜鉛が豊富に含まれており、
さらに味覚を司る「味蕾」と言う箇所では高濃度になります。
そのため亜鉛が不足すると、味覚障害を起こしてしまう可能性があります。
味覚障害のほかにも、亜鉛不足は
- 背や体重が伸びにくくなる
- 免疫力が低下する
- 皮膚炎や湿疹などの肌トラブルを起こしやすくなる
等のマイナスの作用を引き起こす可能性があります。
でも、10倍粥から始めなくて本当に大丈夫なの?

結論から言います、大丈夫です!
WHO(世界保健機構)の離乳食ガイドラインでは、赤ちゃんが最初に口にするお粥の濃さについて
『スプーンから、簡単に落ちない固さ』
と説明しています。
10倍粥…サラサラ落ちちゃいますよね…
栄養をしっかり摂るためには、もっと濃いものが必要なんですね。
WHOは離乳食についてなんて言ってるの?
日本では「離乳」食という呼び名がポピュラーですが、
欧米では「補完」食という考え方をされています。
補完食とは、WHO(世界保健機関)が提唱する栄養を重視した乳幼児向けの食事のこと。
赤ちゃんが成長していくに当たって、
ミルクや母乳では補えない栄養素を食事を通じて補う、つまり補完食
ということですね。
(※この記事では便宜上「離乳食」で統一しています)
日本の離乳食の常識は、世界のスタンダードではないんですね。
では10倍粥の代わりに何を与えたらいいの?
では10倍粥の代わりにどんなものから食べさせるといいのでしょうか。
離乳食初期でも「5倍がゆ」のかたさが目安
- お粥は5倍粥
- 野菜はポタージュやペースト状のかたさ
- 初期からお肉も与えて良い(鉄分、亜鉛の補給のため)
5~6カ月でも、なめらかにつぶした5倍がゆぐらいのかたさから始めてOKです。厚生労働省が定める支援ガイドでも、つぶしがゆから始めるように記載されています。
野菜の裏ごしなどを与えるときも、ポタージュ状やペースト状のかたさを目安にしましょう。とくにビタミンAがとれる野菜(にんじん、かぼちゃなど)は、意識して与えてください。ビタミンAは目の健康や、体の抵抗力を高めるのに欠かせない栄養です。
また補完食では、初期からお肉を与えることもすすめています。とくに発育・発達を促す鉄や亜鉛は、赤みの肉やレバーに多く含まれているので、乳幼児期は積極的にとってほしい食材です。
お粥は5倍粥から。
その他の食材も、ペースト状のかたさ(スプーンから落ちないかたさ)を目安に
ステップアップしていくことがオススメされています。
鉄分や亜鉛などの栄養素を重視すると、お肉を初期から与えるのもオススメ。
でも正直、レバーとか赤身のお肉ってペーストにしにくいですよね…
(そして赤ちゃんの食いつきも微妙)
手軽なのは鉄分が強化された海外製ベビーフード!
私自身も長女の離乳食の時にとても助けられたのですが、
お粥代わりにもなって鉄分や亜鉛もしっかりとれる
海外製のベビーフードがとてもオススメです。
人気なのはライスシリアル。人気すぎて常に売り切れてるイメージです…涙

お米に含まれるヒ素がどうしても気になるならオートミールもオススメ。

日本では離乳食初期はお米を与えるのが一般的ですが、
生後5ヶ月から使えるオートミールもたくさんあります。しかも鉄分が強化されてる!
心配であれば、6ヶ月を越えてから与えると良いかもしれません。
我が家の次女は、5ヶ月の離乳食スタート時からオートミールを与える予定です
まとめ

離乳食、まずは10倍粥からと言われていたのは昔の話。
色々な栄養をたくさん摂って急激に大きくなる「赤ちゃん」の時期だからこそ、
栄養をしっかり「補完」していきましょう♪
手作りの離乳食もとても素敵ですが、
鉄分や亜鉛等の栄養重視なら、海外製のベビーフードが圧倒的にオススメですよ〜!!


